2010年5月20日木曜日

ちょっと前の事

今回のデザインイノベーション論。
今日の話題は主にパーソナルブランドについてと、カスティリオーニのデザインについて。

パーソナルブランドについては前回の授業でも話題に出ましたが、今回はそれがどんな要素で出来上がっているかについてでした。
1つめはこれまでの経験
2つめはこれからありたい経験
その2つをmixしてパーソナルブランドは出来上がるそうです。

それは自分のオリジナリティーであり、アピールする部分だそうです。
例えば、
山崎先生
『情報デザイン』
『プロダクトデザイン』
『英語力』
はこの3つで
情報デザイン、プロダクトデザインが出来、外資系の会社に勤めていたことで英語も話せて、このようなデザイナーは珍しく、重要なアイデンティティーになるそうです

そこで、そのパーソナルブランド、オリジナリティーを用いて最終的にデザイン提案をするそうです。
その流れは
①これまでのデザインアプローチを調べる

②そのアプローチの中から問題を見つけ出す
(今までのアプローチで何が欠けているのか)

③デザインアプローチを提案
(パーソナルなものor普遍的なもの)

中間発表

④企業を選んで、どの分野のデザインで提案を行うのか決定

⑤具体的なデザイン提案

最終プレゼン

なぜ、このような授業を山崎先生がしているかというと、
デザイナーは企業や事務所の中では、その方針に従って提案を行うことができるが、独立すると自分のやり方がわからない、という人が多いのだそうです。
そこで学生のうちに自分のやり方を1つ見つけておくためにこの授業をやろうと思ったのでそうです。


カスティリオーニの話では、彼はポリシーを3つ持っていて
1、Redesign(既存の製品に手を加える)

2、Ready Made Design(既存の製品の部分を流用する)

3、Metaphor(楽しさを加える)

これはつまり彼のブランドアイデンティティーであり、オリジナリティーなのだろうと思います。1、2だけでは楽しくないので3で、既存のものの楽しさのエキスを活用したそうです。

彼は楽しいもの、びっくりするもののデザインをしようと考えていたそうで、キャビネットにはおもちゃが詰まっていて、そこからヒントを得ることもあったそうです。

モダンデザインの走りであるカスティリオーニのスイッチのデザインはもう誰が作ったかわからないものだけれど、そのデザインはよく見ると細かいところにこだわっていて、良いデザインでありiPhoneにも模倣されているということでした。
特にこだわったのはスイッチをon offするときの音だそうです。

お茶目なおじさんだったんだなあ、という感じ。実際にそうだったそうです。
イタリアで事務所のツアーに参加したとき、マルボロの箱のロボットがあったり、天井からおもちゃが吊ってあったりして楽しい、明るい感じの事務所でした。

授業でも出ましたが、スケッチやガラスの写真のネガがラベリングしてとっておいてあるのは、彼の整理好きだということの現れだと思います。
そして、自分の作品を愛してたんだなあ、素材とか大好きだったんだろうなあ、という感じでした。

これはスヌーピーの鼻をイメージして作られた証明。



特別講義
講師は今月のAXISの表紙、廣村正彰さん。
先生の言葉を借りると職人気質な方でした。


授業では「伝わるデザイン」をテーマに講義してくださいました。
officeは青山の骨董通り。

廣村さんはコミュニケーションデザイナーなのだそうです。

講義の内容は、デザインは「伝える」ことから「伝わる」ことに変わるそうです。
世の中には情報がたくさん溢れていて、個々人によって必要な情報と不必要な情報があるそうです。人はその中から情報を選び出します。

各人にどのように必要な情報を伝えるのか、ということが問題で、今まではただ強く主張すればよかったものが、それでは伝わらないそうです。伝えるためには、共感を得ることが大切で、広告するものの差別化が必要なのだそうです。

いままでは「伝える」ことばかり考えていましたが、これからは、どのように「伝わる」かを考えなくてはいけない。
→意識の発火点(共感を得るポイント)をつくる。

情報が個人にたどり着くまでの道のりを登山に例えると、目的地までいくには、直線的なルートで行くのが1番早いが、それ以外にも様々な道筋があり、それぞれの伝える方法が見えてくる、ということでした。

最近ではシンプルも「ポストシンプル・単純」の位置に変化し、単純・シンプルなものでも「微妙な質感」があり、それをどう伝えるのかがポイント、だそうです。

また、出版した「字本」についても話してくださいました。

言葉には様々な種類があり、メイクやファッション、髪型も言葉になるのだそうです。
新しい言葉を作りたいと考えている、ということを話されていました。

そこで私はグラスの言葉ってのもありじゃないかなあ、と思いました。
一緒のタイミングでグラスに口をつけたら好意がある、グラスを自分のグラスから遠ざけられたら嫌われている…って、知ってるのは2つしかありませんでした。。。


とかいろいろ話してくださいましたが、特に面白かったのは、学生が矢印のついた帽子をかぶって団体で歩いているのを上空撮影した映像でした。

休憩時間が特に面白くて、矢印が集まって回り始めたりしてました。

で、懇親会です。
私はイタリアから帰ってきてから悩みがありました。
それは「デザインとはなにか」「なんのためにデザインがあるのか」という何とも漠然としたものなのですが。

で、頃合いをはかって廣村さんに尋ねました。
回答は
「仕事ですね」
ということでした。
デザインは人生ではなく、仕事であるのだそうです。
何のためのデザインか、という質問に対しては、分からないが、もしデザインがなくても違う形であり続けるだろう、ということでした。

例えば、宮廷にお抱えの画家がいたように、そんな形でデザインは必要なのだ、ということでした。

廣村さんは最初、田中一光の事務所にいたそうです。そこで
「君は才能がないから10年ここで仕事しなさい」
のようなことを言われたそうです。(こんなこと書くのも恐れ多いのですが)
そこで、廣村さんは10年修行して、今の事務所を作ったそうです。

先生が言うには廣村さんはどちらかというと職人で、クライアントの問に対していつでもヒットで返すそうです。

素人であれば急にホームランをまぐれでうつことも可能なのですが、ヒットを打ち続けることは難しいのだそうです。
そして、最終的には美しいものが勝ち、その美しいものを作り出す技術は練習をすることで身に付くのだそうです。

そして、デザインにはいつでもゴールがあり、その際に「ほめられる」、「商品が売れる」などの結果が出れば正解だった、ということになるそうです。

廣村さんは学生時代、スイスモダンや横尾忠則(←こちらはうろ覚え)に影響を受けたそうです。もし、うちが聞いた答えが横尾忠則だったらかなりサイケな感じなのでちょっと違ったかな?という感じ。

とか、うちの漠然とした質問に親切に答えていただいて良かったです。
ちょっと頭でっかちに考えすぎていたかなあ、と思いました。

っての同じ研究室のつやこが書いた内容です(多少修正を加えているけど)

なぜ自分のではないのかって?
それはデザインイノベーション論にも特別講義にも出ていないからです。
でもカスティリオーニのデザイン事務所に行ったことは本当であり懇親会には間に合ったので、

「で、頃合いをはかって廣村さんに尋ねました。」
と言う部分からは私も参加しています。
参加する前は何をしていたかというとwebのアルバイトに行ってました本当なら正午くらいに行って3時には戻って来れるはずだったんですが先方の都合上、三時からになり泣く泣く廣村さんの講演をあきらめました。(ミラノに行っている間に先方には何度か日程調整をしていただいたので、そのまま、OK返事をさせてもらいました。 といっていました。

でも途中からの参加だけど懇親会も楽しかったです。本当なら質問もしたかったのですが講義で話していた事だったら失礼になるかなと思い質問しませんでした。
今度講演を録画したビデオをみようと思います。ってか見ようと思いましたでも、データが見つかりませんどこにあるかわかる人は教えてください。

あと、驚いたんですがカスティリオーニって3兄弟なんですね
知らなかったです、しかも3兄弟全員デザイナー、カスティリオーニって同じ名前のやつがいるなーと前から思っていたのですが兄弟だったんですね初耳です。
イームズ夫妻みたいにカスティリオーニ三兄弟と呼べば良いのでしょうか?
何かいい感じですね三兄弟って響き。

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